阿部
大学2年の頃には教育の道で食っていこうと決めてたので、色々な指導形態の塾を経験しておこうと思い、大学〜大学院時代の6年間で3社の塾講師を経験しました。それぞれで学んだことをご紹介します。
目次
栄光ビザビ:個別指導塾
株式会社栄光の個別指導塾。栄光ビザビに勤務をしてから教職を志すようになりました。教育の面白さをここで学びました。
個別復習プリント出力:CATS(キャッツ)
このシステムに衝撃を受けました。ある単元のプリントの演習を行った後、PCから間違えた問題をチェックするだけでその生徒に合った復習プリントが出力されるシステムです。先生が単元や問題を指定して独自のプリントを作ることもできます。
今でこそアダプティブラーニングは注目されていますが、10年以上前にこのようなアダプティブに学習できるシステムがありました。当時の私はデータベーストな学習方法に感銘しました。
また、解説動画も付いているので生徒自身で学習ができます。家で予習して塾で解説をする反転学習も可能です。「これは先生が要らなくなるぞ…」今でこそこんな議論は盛んに行われていますが、10年以上前からこの最新システムによって、次の時代の先生の役割を考えさせられていました。ただ、その時も今も考えは同じですが、先生は必要で役割が変わるのだなと思っていました。その時から栄光ビザビでコーチングの重要性を体感していました。
コーチングノウハウの充実
栄光ビザビでは講師研修が定期的にありましたが、コーチングのノウハウをたくさん学びました。
特に印象に残っているのが、「褒め方」の徹底です。結果ではなくプロセスを褒めることは今ではコーチングの当たり前の考えですが、当時から栄光ビザビでは褒め方に関しても体系的に講師に研修がなされていました。
おそらく専門的な知見をまとめる優秀なスタッフ陣がいたのでしょう。褒めるべきシーンの理解や、様々な褒め方の体得は、教員になっても役に立ちました。
授業力選手権
栄光ビザビには授業力選手権という大会がありました。都予選を勝ち上がったら全国大会です。私は教室内の代表を決める選考会で1位になり、授業力の自信を感じたのを覚えています。ちょうど次の学習塾に転職予定だったので教室代表にはなりませんでしたが、他の先生が教室代表として選手権に出場し、なんと全国3位になってました。
私の配属した校舎の講師たちは互いに授業見学をするなど勉強熱心な人が多く、全体的に授業力が高かったと思います。結果的に生徒の学力向上率や、講習提案数などあらゆる指標で全国の教室中トップの位置にいました。切磋琢磨できて成長できる環境は幸せでした。
早稲田アカデミー:集団指導塾
栄光ビザビはとても恵まれた環境でしたが、大学3年の終わりに、私は集団指導の経験をしたく舞台を他社に移しました。他の企業の指導理念にも触れてみたかったからです。
栄光とは少し社風の異なる早稲田アカデミーを選びました。栄光よりも「厳しい」と評判でした。
充実の研修制度
校舎には「私語のない緊張感のある授業」、「本気でやる子を育てる」の標語が貼られていて、栄光とは少し違う塾の雰囲気を感じ取りました。
初任研修も衝撃でした。「あいうえお、いうえおあ、うえおあい、…」という声出しは、高校の時のバスケ部を思い出しました。それくらい大きな声を出していました。
さらには教室に入る一歩目の足、先生の立ち位置、板書の文字の大きさなどを徹底的に叩き込まれました。
この充実した研修制度は、実は学校の教員になった時も受講しています。授業学研究所という機関の研修です。元早稲田アカデミー教育事業推進部部長の「大矢純」先生が、その研修ノウハウを活用した授業学研究所を設立されたのです。
大矢先生の著書も愛読していたので、そのノウハウは身体に染み付きました。
最上位クラスの生徒の成績をあげるということ
栄光ビザビ時代には、主に学校の補習、時に中堅校の受験対策がメインでしたが、早稲田アカデミーでは最上位クラスを担当し、最難関校への合格というミッションを受けていました。
本気で教材研究、入試研究をしなければ合格させられないということを実感しました。半端な教務力では生徒の学力は上がりません。最難関校には合格しません。
早稲田アカデミーでは「教師五者たれ」という言葉がありました。
- 学者:圧倒的な教務力で成績を向上させることができる。
- 役者:それぞれのクラス、生徒に応じた対応をして信頼関係を築くことができる。
- 易者:占い師。最新の入試動向・受験情報・進路情報を把握、分析して適切な進路指導ができる。
- 芸者:授業や面談において生徒を励まし、やる気にさせることができる。
- 医者:生徒の体調面、精神面を常に把握し、フォローすることができる。
特に若い先生でありがちなのが「役者」と「芸者」だけの先生と当時の研修担当は言ってました。塾講師のスペシャリストは、「学者」の要素が何よりも大切だと強調されました。
アライブつくば:自立学習塾
大学院は筑波大学大学院に進学しました。茨城のつくば市に引っ越した後、ご縁もあり、アライブつくばという小さな個人塾で塾講師を再開しました。学部時代は大手学習塾を経験したので個人塾を経験したいとも思っていました。
自立型の形態を知る
今までは個別型、集団型の指導形態を経験してきました。しかしアライブつくばでは指導形態がそれらとは異なりました。自立型という指導形態です。基本的に生徒は自分で演習・丸つけ・解き直しをして、先生は進捗チェックや計画立てなどのコーチング徹します。今でこそこの形態は個人塾を中心に当たり前になってきています。時代背景としては、
- 講師採用が難しくなってきている
- 生徒が自分で学習できるIT教材が充実してきている
- 生徒数が減ってきている
などが挙げられますが、自立型の形式が一番学力が上がると感じました。生徒は最終的には自分で自立して学習を進められることが目標ですからね。
休み時間に鬼ごっこをする
アライブつくばでは休み時間に遊びます。休み時間に外で鬼ごっこや缶蹴りをしたり、室内でトランプをするなど遊びも本気です。その時間はとても有意義で、生徒の意外な一面や性格が垣間見れます。先生を知ってもらうためにも貴重な時間です。
遊びが入ることによってリフレッシュして勉強を進めることができますし、生徒との信頼関係も構築されていきます。勉強以外の時間の重要性をアライブつくばで学んだ気がします。
学習塾講師の経験は教育キャリアの基礎となっている
学習塾の講師を3社の経験はその後の全てのキャリアに活きています。
- 大学院での教育学研究
- 教員としての教育活動
- 現在の教育IT企業での職務
こんな私が運営する本サイトを今後もよろしくお願いいたします。
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