けテぶれは、児童・生徒が自立して宿題をこなすようになるための学習方法です。
今回はけテぶれで成果を出すための方法と実践例をご紹介します。
けテぶれで成果を出すためには
①けテぶれ専用の時間を確保してあげる
②方法を他者と共有する
③姿勢・態度が変わるまで続ける
目次
内省のサイクルは繰り返すことが大切
けテぶれは、
- けいかく(計画)
- テスト
- ぶんせき(分析)
- れんしゅう(練習)
の頭文字をとった内省のサイクルです。
大人がビジネスや学習で用いるPDCAサイクルに似ていますが、けテぶれの特徴は、子どもにとって分かりやすい具体的な言葉で構成されていることです。
次にするべき行動が子どもにとって分かりやすく明示されています。
けテぶれをする子ども
そしてこのサイクルは、繰り返してこそ威力を発揮します。一度の実行ではなく、自分の頭と身体に染み込むまで、習慣化するまで繰り返します。
PDCAサイクルもそうですが、サイクルを実行できることが目的ではありません。その型を様々な問題の解決に応用できるようになることが本質です。けテぶれは宿題をこなせるようになるためのサイクルですが、それが習慣化されていれば、日常の他の問題の解決にも応用できるようになり、大人になってからも様々な課題を乗り越えることができるようになります。
けテぶれの実践例の紹介
けテぶれは、小学校、中学校、高校、塾など様々な教育現場で実践されています。その中から、成果を出されたけテぶれの実践例を抜粋してご紹介します。
オンライン塾
今でこそコロナ休校の影響でオンラインの塾が増えてきています。その中でもオンライン自習室のパイオニア「テラコヤイッキュー」さんは、学習指導にけテぶれを取り入れています。
テラコヤイッキューさんでは、生徒が自走できるような指導をしています。教え込む指導ではありません。生徒との対話を重視し、けテぶれで振り返る習慣作りをしています。
そして…
去年の6月から取り入れてきた、「けテぶれ」。日々の学習時、けテぶれを回すのはもちろんですが、
毎日の勉強とは別に設定している「けテぶれタイム」で
生徒たちは
学習計画を立て
学習の振り返りをし、
毎日毎日、内省を繰り返しています。自分のために、自分に必要な勉強を、自分の力で行うこと。
そして、より自分を成長させるために、毎日内省を繰り返し、振り返りを蓄積していくこと。これを今では、当たり前に行うことができるようになっています!
本当にすごい!!(親バカならぬ、生徒バカの私。。。)
テラコヤイッキューさんでは、振り返り内容を学習アプリに記録させてけテぶれを実施しています。
ポイントは、けテぶれをするための時間「けテぶれタイム」を設けていることです。まずは勉強ではなく、勉強を自走するための方法を習得するために時間をとっています。
このように時間を確保してあげることで習慣化されます。そして、生徒は自分でやってみてり工夫してみるなどの、態度や姿勢の変容が見られるようになります。
https://twitter.com/terakoya1_9/status/1254008525019181062?s=20
小学校(特別支援学級)
元小学校教諭のなかッちさん(Twitterネーム)は、特別支援学級でけテぶれを実践しました。先ほどのテラコヤイッキューさんと同様、数ヶ月に渡って時間をかけて実践をしています。そして計画方法や分析方法を他者と共有する活動も取り入れ、自ら学習する学習態度が養われていったそうです。6年間漢検に合格できなかった子が合格し、合格できなかった子も前向きな発言をするようになったと言います。
https://twitter.com/nkc_papa/status/1254428429753057283?s=20
https://twitter.com/nkc_papa/status/1254430385326284800?s=20
けテぶれで成果を出すポイント
冒頭にの述べたポイントを、お二方の実践例を踏まえてもう一度まとめてみます。
けテぶれで成果を出すためには
①けテぶれ専用の時間を確保してあげる
②方法を他者と共有する
③姿勢・態度が変わるまで続ける
まずはけテぶれの時間を確保する。けテぶれは、それ自体が素晴らしいのではなく、習慣化して使いこなせるようになった生徒が素晴らしいのです。
時には、他者と方法を共有するのも有効です。他の人がどんな風に分析しているのか、自分の方法を相対化することで内化していきます。
そして、子どもの姿勢や態度が変わってくるまで待ちましょう。どうしても大人が手取り足取り教えたくなるところですが、ここは我慢しましょう。
このけテぶれの教育観は、『学び合い』とも共通する部分があります。こちらもご参考に。