学校はコロナ対策の休校措置が取られていますが、国が独自にオンライン学習システムを構築する方針を打ち出しました。
【独自】オンライン学習、国が開発へ…作問から成績評価までの活用目指す(読売新聞)
先生
・いつ完成するの?
・ちゃんとしたもの?
・またベ◯ッセに丸投げ?
すでに出ている様々な懸念点をまとめます。
目次
オンライン学習システムの概要
システムの概要を解説していきます。
背景
現在は新型コロナ対策で学校が休校になっており、子どもの学習機会が損なわれています。新型コロナのみならず、今後の感染症の蔓延や大規模災害時にも自宅や避難先で生徒・児童の学習を可能にできるようにすることが狙いのようです。
完成時期
これから委託業者を公募し、施策システムをモデル校に導入。その準備として2020年度補正予算案に調査研究費として1億円を計上した段階なので1年以上先になる見込みです。
システム内容
システムの概要は以下の通り。
- 児童・生徒がインターネット上の専用サイトに入る
- 教科や単元を選択すると問題集が表示される
- 画面上で解答すると自動で採点、解説が表示される
懸念点の整理
様々な懸念点が教育業界内外から出ています。以下で整理していきます。
完成が遅いのでは?
システムが必要とされるのはコロナ休校期間の今ですが、システムが開発されて現場に普及されるには1年以上かかる見込みです。
何このびっくりすほど遅い話?一年かけて国がオンライン学習開発?今年は諦めた?既存のオンライン学習システムがいっぱいあるのに使わないのはなぜ?
どうしても国が仕切りたく全一致させたいから?今子供達を救うべくまずは民間システム使って修正していく方が正解だと思うhttps://t.co/ahICdtmKYr— 重松 健 | NYの都市建築家−日米の長所・短所/日本の都市のポテンシャルを伝える (@inspiring_dots) April 27, 2020
クオリティは大丈夫?
最近では自治体(教育委員会)が独自にオンライン授業の動画を作成しているところがありますが、かかる費用(人件費)の割にクオリティの低いこと、自治体差があることが懸念されています。
もうさ。
市町村レベルでの自治体ごとに、謎の授業動画をつくるシステムは何とかならんのか。ほんと、国家レベルで、スーパーエリートがつくった授業動画をシェアしたらいいじゃない。
— いのせん memento mori (@inosennn) April 21, 2020
全国の子どもが視聴します。ちゃんと子ども視点で作られているかどうかは重要です。
https://twitter.com/ugmd/status/1254652927454535680?s=21
なぜ既存サービスを利用しない?
現在では民間企業が開発したシステム、教材サービスはごまんとあります。わざわざ今から国が開発費をかけて作る必要はあるのでしょうか?
既に国内外に多くのオンライン学習システムがあるのだから、政府は利用者に補助金を出すなどしてオンライン学習の普及を後押しすれば良いのに。なぜゼロから開発しようとするんだろう。
サービス開始まで時間かかるし使… #NewsPicks https://t.co/6SZHv1Z3bi— 谷地村啓 (@yachimurakei) April 27, 2020
公教育の民営化になるのでは?
昨年話題になっていた各教育改革項目において、ベネッセのサービスの独占になることが懸念されていました。
- 英語民間試験:GTEC
- eポートフォリオツール:Classi
- 高校生のための学びの基礎診断制度:スタディサポート
この度のシステムも、ベネッセが委託する前提のものではないかと懸念されています。
https://twitter.com/soil_19/status/1254610599452872704?s=21
オンライン学校にみる未来の学校
このようなオンライン学習システムを4年前に構築して、着実に成果を出している学校があります。角川ドワンゴ学園「N高等学校」です。開校4年で東大合格者を輩出し、高校2年の在校生はコロナ対策アプリを開発した(Yahoo!ニュース)。生徒の適正に応じた教育がオンラインでなされています。
しかし、学校のオンライン化はなかなか進まない理由があります。組織の構造上の問題や、インフラの問題などが挙げられます。
かつてはマイノリティであった通信制の学校は今後は主流となり、既存の学校は統廃合が加速されるでと推測されます。国が作るオンライン学習システムによって、学校制度と教育システムがどのようになるのかは、まだ不透明な部分がほとんどです。