【公立・私立】教師・教員はYoutubeをやってもいい?顔出しは?

コロナ休校期間中に、Youtubeに授業動画をアップしている先生が増えてきました。同時に、Youtubeについて懸念する先生も増えてきています。

先生

・法律的にやっていいの?

・副業としてOK?

・顔出ししない方がいい?

このような疑問にお答えしていきます。先に結論をまとめておくと以下のようになります。

POINT

教員のYoutube配信は、「教育に関するもの」なら

・法律的にOK

・副業としてもOK

・顔出しは任意。しない方法もある

法律的にどうなの?

地方公務員法

まずは「地方公務員法」の視点から見てみましょう。

地方公務員法

(信用失墜行為の禁止)

第三十三条
職員は、その職の信用を傷つけ、又は職員の職全体の不名誉となるような行為をしてはならない。

(秘密を守る義務)

第三十四条
職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また、同様とする。

(職務に専念する義務)

第三十五条
職員は、法律又は条例に特別の定がある場合を除く外、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。

要は、

POINT

・地方公務員の信用を傷つける副業はNG
・職務上知り得た秘密を漏らす副業はNG
・職務時間に専念できなくなる副業はNG

こんな感じでNGの要素が多いのです。

実際に、地方公務員でできる副業は以下の3種類です。

  • 株式投資やFXなどの資産運用
  • 小規模な不動産運用
  • 宗教活動による寄附やお布施

これだけだとYoutuber活動はできないと思われるかもしれませんが、もう一つの法律を参照します。

教育公務員特例法

教員には「地方公務員法」だけではなく、「教育公務員特例法」という法律も適用されます。

教育公務員特例法

(兼職及び他の事業等の従事)

第十七条
教育公務員は、教育に関する他の職を兼ね、又は教育に関する他の事業若しくは事務に従事することが本務の遂行に支障がないと任命権者(地方教育行政の組織及び運営に関する法律第三十七条第一項に規定する県費負担教職員については、市町村(特別区を含む。以下同じ。)の教育委員会。第二十三条第二項及び第二十四条第二項において同じ。)において認める場合には、給与を受け、又は受けないで、その職を兼ね、又はその事業若しくは事務に従事することができる。


前項の場合においては、地方公務員法第三十八条第二項の規定により人事委員会が定める許可の基準によることを要しない。

要は、

POINT

教育に関するもので、任命権者が認めればOK

ここで言う「任命権者」は市町村の教育委員会。教員が副業をする場合は市町村の教育委員会の許可が必要です。普通、校長や教頭を通して許可を取ります。

「教育に関するもの」であればOKです。よって教育系のYoutubeは発信してもOKなのです。

Youtubeが出るずっと前にも、教育系の本を出版している教員はいましたよね?本の印税を得ている人は副業に当たります。Youtubeで副業もOKです。

Youtubeで収益を得るには、以下の条件を満たす必要があります。

  • チャンネル登録者数1000人
  • 過去12ヶ月の総合再生時間が4000時間

この条件を満たした後にGoogleに申請を出して通ると、晴れて収益化することができます。

【副業・複業】教師・教員がYoutubeで稼ぐ方法とは?

私立学校の場合

私立学校の場合は、地方公務員法と教育公務員特例法ではなく、校長や教頭の判断で決まります。学校の特色や文化にもよると思います。学校にもたらす価値と、個人情報の取り扱いに注意する点を分かりやすく提示して、管理職を説得しましょう。

公立と私立の副業規定の違いは以下の記事でまとめてあります。

教師・教員の副業は禁止?公立教員でもできる副業をご紹介!

肖像権と個人情報の取り扱いに注意

Youtube配信はOKですが、何でもかんでも配信できる訳ではありません。肖像権と個人情報の取り扱いについて整理しておきます。

肖像権

肖像権の種類は大きく分けて以下の3つです。

  1. 勝手に撮影されない権利
  2. 勝手に公開されない権利
  3. 自分の画像を勝手に商業利用されない権利

動画や写真に誰かが映ってしまった場合、その人の許可を取る必要があります。

個人情報

個人情報とは、顔写真、動画、住所、氏名、学校名等により特定の個人を識別できる情報のことです。

動画を学校や教室内で撮影して生徒の顔や生徒の名前入りのノートなどが映らないようにする必要があります。

どんな動画を配信する?

では、あなたは教員というキャリアを生かしてどんな動画を配信しますか?

動画の内容は以下の3種類に大別されます。

POINT

内容

①教科指導講義

②教育方法論

③教員の働き方

先生がどんな目的で動画配信をするかによります。

そして見せ方も以下の3種類があります。

POINT

見せ方

①板書講義

②スライドプレゼン

③身振り手振り

内容や目的、先生が持っている機材にもよります。

Youtuberを参考にする

実際にすでにYoutube配信している先生の例を見ながら、先ほどのパターンを分類してみましょう。

とある男が授業をしてみた

【内容】教科指導講義

【見せ方】板書講義

書籍化もされました、生徒たちに大人気の数学動画講義です。

教科力を生かしたい先生や、生徒に講義動画を配信したい先生はぜひ参考にしてください。

 

とある男が授業をしてみた

 

アンビ【パラレル教員YouTuber】

【内容】教育方法論

【見せ方】スライドプレゼン

教育方法論や時事について発信されています。最近では顔出しして投稿をしているようです。

 

アンビ【パラレル教員YouTuber】

 

教員改革党

【内容】教員の働き方

【見せ方】身振り手振り

ラファエルさんのようにマスクを被ってプレゼンする形式。ただ、内容的に副業の条件である「教育に関するもの」は満たすかどうかはグレーなところです。

教員改革党

目的に合わせたYoutube配信を

様々な先生Youtuber、教育系Youtuberが出てきています。教員も「教育に関するもの」のYoutube配信はOKです。

冒頭のまとめを再掲します。

POINT

教員のYoutube配信は、「教育に関するもの」なら

・法律的にOK

・副業としてもOK

・顔出しは任意。しない方法もある

ぜひチャレンジしてみてください。