先生
学校がコロナ休校になり、塾でも対面指導の自粛要請がかかっています。先生方は対面の指導からオンラインの指導への移行が求められています。そこで今回は、オンライン指導の勉強会、セミナーの内容をご紹介します。
目次
教材の提供だけでは解決されない教育の問題
先生
2月末に学校休業要請が出ました。その時はオンラインの教材やツールを提供する教育企業(EdTech)が各サービスの無償提供をしました。これである程度は家での学習機会が確保されるように思えました。
しかし、教材やツールの提供だけでは、児童や生徒の学習は成立しませんでした。なぜなら、学習を管理してくれる先生がいないからです。中にはもともと自立している生徒は教材だけ与えられれば学習ができるかもしれませんが、そのような生徒は稀です。先生による学習指導は必要だったのです。人が介在する学習の管理が必要だったのです。
そこで、次に起こったムーブメントは「オンライン指導方法の共有」です。何を教えるか(What)の教材論ではなく、オンラインでどのように指導するか(How)の方法論の共有です。
オンライン指導の方法共有
学校や塾の先生は自身のオンライン指導の実践内容をブログやYoutube、Twitterなどで公開しました。このような個人発信の動きに加えて、企業も動きました。先生方のオンライン指導の実践をさらに拡大させるために、勉強会やセミナーを開催しています。広告発信をするなどしてより多くの現場先生へオンライン指導のノウハウを拡大させています。コンサルティングサポートをする企業もあります。
2020年4月1日:新型コロナウイルス感染拡大の影響を鑑み、『オンライン指導』に取り組む学習塾17校の協力の下、情報共有会をオンラインにて開催いたします
2020年4月9日:スプリックス、「オンライン個別指導」に関する学習塾向けWEBセミナーを開催 / ICT教育ニュース
2020年4月15日:SAVE THE 学習塾 〜コロナ対策支援に向けて〜 / 株式会社ラシク
2020年4月25日:【オンライン教え方セミナーinやまがた】コロナに負けるな!制限があってもできる指導の工夫 / SENSEIPORTAL
ここで、スタディプラスの情報共有会の内容を例示します。
先生方のおかげでオンライン指導情報共有会は8回実施できました。毎回100名以上の方にご参加いただいてます。「オンライン指導の方法が分からないから塾を閉めた」ということのないように多くの方に知っていただきたいです。お困りの方がいらっしゃったら共有をお願いします。来週も毎日開催します。 https://t.co/aZN8m85MEt pic.twitter.com/H8ohXiTtLk
— 阿部 亮輔 @Studyplus(スタディプラス) (@rabe0703) April 18, 2020
参加者の感想です。Twitter「#オンライン指導情報共有会」を引用します。
https://twitter.com/exam_kiyose/status/1250391699832164352?s=21
本日もめちゃくちゃ勉強させていただきました。
1人でオンライン対策とか考えてると鬱々としますよね。この会で皆さんの取り組まれていることを聞いたり、大事にされてる信念に触れたりすると、元気100倍になります!生徒にできることの可能性が広がる会✨
— 丑田翔大(Shota Ushida)@藤井セミナー川西教室&ipsim川西能勢口教室教室長 (@ShotaUshida) April 11, 2020
どの先生方のお話を伺っても、オンラインの課題はITリテラシーと機材(講師・生徒ともに)、ネット環境など・・・
無い物ねだりじゃいかんから、今できる最大限のパフォーマンスを目指さねば。
村上先生、本日はありがとうございました。参考にさせていただきます!#オンライン指導情報共有会
— Yutaro Tsuchida (@ddn2236) April 17, 2020
オンライン指導の具体的方法
スタディプラスは、情報共有会の内容を記事化しています。
オンラインでのコミュニケーションを効果的に行うポイント|藤井セミナー川西教室【オンライン指導情報共有会】
どの先生の事例発表も、とりわけ高等なIT機器を使ったり、多数の教材を使ったりしているわけではありません。ほとんどの学習指導はZoomやLINEといったシンプルなツールのみで成立できます。
また、全国のオンライン指導実践者の分かりやすいブログ記事も紹介します。
Zoom とLINE
まずはZoomをつなぐことが基本ですが、合わせてLINEを活用することでコミュニケーションがスムーズになります。
簡単にオンライン自習室を作る方法!(さくら個別指導学院 國立先生)
Zoom と Google Classroom
LINEだけでは課題提出、管理がしにくいです。そこでGoogle Classroomを利用します。無料で利用でき、ファイルの授受や管理ができます。
(すばる進学セミナー 中本順也先生)
まずはやってみる
各企業や教育系Youtuberが学習教材を無償提供してくれており、教材コンテンツは無料で手に入る時代です。さらに、指導の方法も各勉強会やセミナー、ブログ記事などで共有されています。モノと方法は揃っています。
それでも学習指導が成立しない場合があります。それは、指導者のマインドが追いついていない場合です。
「オンラインの指導はしたことがないから」と言う先生もいるでしょう。しかし、オンライン指導はほどんどの先生が初めてです。学習者もオンラインでの学習や、先生から指導を受けることは初めてです。
「対面指導にしかできない良さがあるから」と言う先生もいるでしょう。今までの対面での指導ノウハウの尊さも十分理解できます。PCの画面越しよりも実際に会って指導した方が生徒の細かな変化を読み取れるでしょう。しかし、このコロナの緊急事態においてはそんなこと言ってられません。
どの業界も初めての事ばかりの局面を迎え、窮地に追い詰められています。「日本はリモート勤務への対応が遅れていたから、そのツケが回ってきたのだ」と言う人もいるでしょうが、そんなことは言ってられません。
教育業界においても、ここ10年で少しずつIT化は進んではいたものの、このコロナに対応できるほどのIT化、オンライン化にまでは達していなかったようです。中国ほどの対応はできていないように思えます。
新型ウイルスで「教育が止まりかねない」日本。止めない中国。浮上した「オンライン教育格差」(BUSINESS INSIDER)
だからこそ、まずはやってみて、改善して、良いものは共有する。このプロセスを実践者と企業、国が最速で回していくことが求められます。
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