昨今はブラックな労働環境と表現される学校や塾などの教育現場。先生の給料は高いと思われているかもしれませんが、本当なのでしょうか?
目次
国民の平均給料
学校と塾の先生の給与を見る前に、国民全体の平均給料を確認しておきましょう。
国税庁によると、平成29年の国民の平均年収は35歳で約440万円です。年齢階層別のグラフは以下のようになります。
学校の先生の給料
公立の教員の給料は自治体によって、私立の場合は学校によって異なります。小学校教師の平均年収は約370~420万円、中学校教師の平均年収は約340万~420万円、高校教師の平均年収は約340万~440万円ほどです。小学校よりも中学校、高校の方が幅があるのは、非正規雇用の割合が小学校よりも多いからです。
都内の私立学校は公立よりも10〜30%ほど給料が高い学校もあります。それだけ私立学校の正規採用は狭き門であるためです。
最近では給料額を公表する自治体が増えてきています。東京都は教員の給料体系を公開しています。平均年収だけを他の業種と比較すると低いと思われるかもしれませんが、教員の給料は公務員と同じで年々上昇し続けています。また、倒産することもありませんし、解雇されることもほとんどありません。教員は安定した職業と言えます。
塾の先生の給料
塾の先生の給料は、学校の先生よりも一般的には下がります。厚生労働省の平成29年度賃金構造基本統計調査によると、「個人教師、塾・予備校講師」カテゴリーの平均年収は35歳でおよそ360万円となっています。月収27万円、賞与40万円ほどです。学校の先生よりも、他業種よりも給料が下がります。
しかし、中には法人化、FC化をして経営を成功させている塾の先生もいます。このような先生は先ほどの平均年収よりも給料は格段に高いです。学校の先生よりも指導力や経営力などの実力が給料に反映されるようです。
学校と塾の先生の労働時間は過酷
給料が高めの先生は羨ましがられるかもしれませんが、先生の労働時間は過酷です。一般的には1日8時間、月に160時間の労働時間が基準ですが、先生は200時間を超えることは少なくありません。学校の先生の場合、7:30頃に出勤して20:00頃に退勤します。土日はどちらか、もしくは両日に部活動が入ることも少なくありません。2019年に仙台市の教育委員会が教員の労働時間をパンフレットに赤裸々に公表したことで話題になりましたね。
塾の先生の労働時間も過酷です。朝はゆっくり目で昼の13時頃に出勤しますが、日をまたぐまで働くことも多いです。土日も、テスト対策や入試対策の講習を実施するための出勤することも。
それでも教育の仕事が好き!
教育現場の仕事は過酷です。それでも教育の仕事を選ぶ人はたくさんいます。教えることや、子どもと接することが好きな人です。教育職から他業種に転職する人も、教育業界の中でキャリアアップ、年収アップを狙う人など様々です。
他業種を見れば分かりますが、今の時代はずっと同じ職業、職種で一生を終えるキャリアモデルは少なくなってきています。むしろ、キャリアスキルを組み合わせていった方が自分の市場価値は確実に上がります。社会や市場がどのように変わってきているのか、情報収集の差が収入やキャリア実現に直結します。情報収集をしながら、本当に自分のしたいこと、キャリアを設計してみてはいかがでしょうか。
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