いま、タブレット学習が教育現場で流行っていますよね?生徒は学校や塾で授業を受けなくても、自分のタブレット(もしくはスマホ)で動画を見て学習することがトレンドになってきています。生徒の学び方が変わってきているのです。この背景は何なのでしょうか?
目次
ICT機器の充実
背景の一番の理由は、何と言ってもICT機器の充実です。学校で一人一台タブレットやPCが配布され、それぞれ個別で学習することが可能になりました。クオリティも企業努力により非常に高いです。生徒の学力に合わせた問題や解説動画が自動出力されます。
さらに、価格もとても安く市場に出回るようになりました。このような状況になると、学校側も生徒側も、ICT機器に頼りたくなってきてしまいます。買う側と売る側がWin-Winな関係が、教育ICT市場に成り立っているのです。
先生が足りていない
先生の採用が難しくなっています。各都道府県の教員の採用倍率も落ちてきており、学校ではある科目の先生が確保できていないなんてこともあります。
先生は足りていても、働き方改革により、先生は授業準備に時間を割けない(割かない)ことが多くなってきているようです。すると、授業の質が落ち、理解不足の生徒が多くなり、補習がたくさん必要になります。まさに負のサイクルです。結果的に授業リソースが足りなくなってしまいます。
また塾業界でも先生の確保は難しくなってきています。最近までは先生1人に対して生徒1~3人を教える個別指導型の塾がほとんどでした。採用が難しくなってきてからは、先生1人がICT機器を使って生徒数十人を管理する自立型の形態がトレンドになってきているようです。
本当は自分で学習した方が早い
皆さんも学校の試験や受験を少なからず経験してきて感覚的に分かるかもしれませんが、勉強は自分でやったときに力が身に付くものです。
先生の授業を受けている間は力は付きません。自分で演習を繰り返している時に身に付きます。習得の後の演習に費やす時間が大事なのです。現在では効率的に効果的に学習内容を習得できる教材は揃ってきています。しかも自分で学習できます。
昨今の教育改革の一つに「高大接続改革」というものがありますが、この改革の中でも生徒の学習方法を見直す項目があります。
ざっくりいうと、知識を習得するだけじゃなくて自分に合った演習や活用を大事にしようね!という方針です。このような背景からも、知識のインプットではなく演習を通してのアウトプットの方に重きが置かれるようになってきています。
まとめ
このような3つの背景から、生徒の学び方は変わってきています。
この類の話に付き物なのは「先生はいらなくなる?」という議論です。先生はいらなくはなりませんが、役割が変わります。
学習を先導する役割からサポートする役割に変わり、同時に先生もさらにたくさんのことを学び続けなければならなくなってきています。そうしないと、効率よく学習する生徒にあっという間に追い越されてしまいますから。
先生は生徒のために存在します。その逆ではありません。
これからの時代を生き抜く生徒のために、学び方も変わるべきですし、先生も変わるべき時がきているのかもしれません。