定額料金でサービスを利用できる「サブスクリプション」(subscription)モデルが流行っています。月額一定額を支払うことで音楽が聴ける、車に乗れる、ラーメンが食べられる、自宅で映画が観られるなど様々なサービスがあります。そのサブスクリプションサービスが、教育業界にも現れました。参考書読み放題アプリの「ポルト」です。
目次
サブスクリプションとは?
サブスクリプションとは「定期購読」という意味で、それを一定期間利用できる「権利」に対してお金を支払うビジネスモデルです。
モノを販売する売り切りモデルではなく、権利を行使して利用し続けるモデルです。
例えば、音楽を聴くには以前はCDを購入する必要がありました。いわゆる買い切り(売り切り)モデルです。
しかし、現在ではサブスクリプションであるSpotifyやApple musicなどの音楽配信サービスを利用して音楽を楽しめます。
このように消費者はモノを買って所有することから、権利を行使して体験する志向へと変化しているのです。
消費者側はモノを買うための高額な費用を一度に支払わなくて済みます。
企業側は、顧客の満足度を満たしていれば自社サービスを恒久的に売ることができます。
サブスクリプションは「定額制」と同義で捉えられることがありますが、少し違います。
サブスクリプションは、顧客のニーズごとにプランをいくつか用意して利用権の範囲に幅を持たせます。
カジュアルに利用する人、ビジネスでしっかりと利用する人、法人で団体で活用するなど、利用者の形態や生活スタイルに合わせたサービスを用意します。
また、期間限定のコンテンツ配信や企画開催を通して顧客を飽きさせません。
さらに、利用検討中の顧客には満足してもらった上で利用を決めてもらうために、無料お試し体験期間を設けるサービスが多いです。
このように、サブスクリプションのサービスでは、顧客の利用満足度に注目し、利用者それぞれと継続的で深い接点を構築するサービスです。
各業界のサブスクリプション
あらゆる業界でサブスクリプションのサービスは広がりを見せています。
音楽のサブスクリプションサービスは最も馴染みがあるのではないでしょうか。2015年にApple「Apple Music」を開始し、2016年には「spotify」が日本に上陸しました。
他にも多くの音楽サービスがありますよね。
- Spotify
- Apple Music
- Google Play Music
- Amazon Music Unlimited
- AWA
- LINE MUSIC
- レコチョクBest
いずれも月額1000円弱。
また、飲食店業界でもサブスクリプションのサービスは現れてきています。
coffee mafia(コーヒー マフィア)は新宿にある月額定額制のコーヒースタンド。クイックカップが無料になる「3,000円」コースと、全てのドリンクが無料になる「6,500円」コースの2種類が用意されていています。
こってり大盛りラーメンで人気の「野郎ラーメン」では月額8600円で毎日1杯無料でラーメンが食べられます。
自動車業界にもサブスクリプションサービスが出てきています。
トヨタ自動車のサービス「KINTO」では、3年ごとにトヨタの新しい車に乗ることができる「KINTO ONE」と、3年間でレクサスを6台乗り回すことができる「KINTO SELECT」の2つのプランがあります。
参考書読み放題サービス「ポルト」とは?
ポルトとは、2019年9月17日にスタディプラス株式会社がリリースした電子参考書の読み放題サービスです。スマホで参考書の電子版が読み放題になります。
同社は大学受験生の3人に1人以上が利用する学習管理アプリ「Studyplus」、教育事業者向け学習管理プラットフォーム「Studyplus for School」を提供しています。
特徴1:月額980円で100冊の参考書が利用可能に
ポルトの利用料は月額980円。Apple Musicと同じ値段です。
現在は30冊ほどの参考書がスマホで利用可能ですが、2020年夏までに100冊に拡大予定とのこと。
紙の参考書を20冊以上持っている受験生は少なくありません。値段に換算すると2万円は下らないでしょう。
ポルトを利用すれば、年間でも1万2000円ほどしかかかりません。
特徴2:スマホがあればいつでも勉強できる
ポルトのコンセプトは「いつもの参考書をポケットに」。
受験生のカバンは参考書でいっぱいです。重たいカバンで毎日通学します。
しかしこのポルトを利用すれば、スマホと筆記用具があればカバンは軽くなります。
いつでもどこでも勉強できるようになります。
また一般的に英語のリスニングの学習をしたい場合は、付属のCDを利用しなければならないことが多いです。
しかしポルトは、スマホに音声データも内蔵されているため、すぐにリスニングの学習も行うことができます。
電車での通学時間、隙間時間に大きな紙の参考書を出さずとも、スマホで片手で勉強できます。
場所と時間の制約が少ないところが大きなメリットです。
特徴3:問題の正誤管理ができる
ただの電子書籍を異なる点は、問題の正誤管理ができるところです。
どの問題で正答したか、間違えたかを管理することができ、復習に活かすことができます。
読んで終わりではないところが、このポルトと一般的な電子書籍との違いです。
正誤管理の機能を利用して、勉強の復習の習慣が付くとベストです。
例えば、英語の文法問題を1回目は通学途中の電車で解き、間違えた問題だけ2回目を自宅や学校に着いたら解き直す。
このようなルーティーンを構築できると、隙間時間を有効に活用した効率の良い勉強習慣が身に付きます。
ポルトで勉強方法の選択肢が増える!
もちろん、紙の参考書には良さがあります。
その厚みから達成感を味わえたり、ポルトにはない情報量が含まれています。
しかし、勉強をもっと簡単に、いつでもどこでも始められることも求められています。
例えば、
「今日はどこで勉強しようかな」
「参考書は何を持って行こうかな」
「どのページまでやったんだっけな」
というように、勉強をいざ始めようとする受験生の中には、取り掛かるまでに時間と労力がかかることもあるでしょう。
このような勉強始めのハードルを下げてくれるのがポルトです。
取り掛かりがスマホでサクッとできるのであれば、受験生にとっては勉強の取り掛かりのハードルが下がるかもしれません。
サブスクリプションのサービスは各業界のあり方を変えてきました。
ポルトも同様で、受験生市場やかつての勉強のあり方に対して大きなインパクトを与えています。
勉強方法の選択肢をかつてよりも広げてくれるツールとして、今後も多くの受験生の支持を得ていくことでしょう。
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